自己破産手続の知識TOP >  自己破産手続き  >  自己破産手続の流れ

自己破産手続の流れ

個人の破産で多い同時廃止事件(債務者にめぼしい財産が無い場合)の場合の手続の流れについて解説しています。

多重債務者が借金から開放されるには、「破産手続」と「免責手続」の2段階の手続が必要です。

すべての自己破産手続き終了までには、大体3~6月ほどかかります。

通常、裁判所への出頭は、破産審尋の1回か、破産審尋1回と免責審尋1回で2回裁判所に出頭することになります。

なお、「審尋」というのは「面接」というような意味です。

1 自己破産の申立て 
「債務者」の住所地を管轄する「地方裁判所」に申立書を提出します。

住民票があるところではなく、現に債務者が住んでいる住所地の管轄地方裁判所であることに注意してください。

破産手続開始の申立により免責の申立をしたものとみなされます。

2 破産審尋(裁判官から支払不能になった状況や支払い能力等の質問を受ける )、もしくは、書面審理(裁判官が提出書類だけで審理)が行われます。

破産審尋は申立後1 ~2ヶ月後に指定されるのが通常です。

裁判官に審尋されるといっても、過度に不安になる必要はありません。破産するに至った事情など申立書に記載したようなことを聞かれるだけです。

書類の疑問点や補足的なことを聞いてくるので、陳述書等の書類をしっかりと書いておけば問題ないといえます。

審尋のために裁判所に出頭するときの服装は破産を認めてもらうために地味しておく必要は特にありません。派手な格好は好ましくないですが、普通の格好で大丈夫です。

なお、東京地裁など即日面接制度がとられている裁判所では、債務者本人への審尋はありません。

3 破産手続開始決定
破産審尋の数日後に、支払不能状態であれば破産手続開始決定がされます。同時に、めぼしい財産がなければ同時廃止の決定がされます(同時廃止)。

破産手続開始決定によって、債務者は破産者となり官報に公告されます。

決定がなされても異議申立期間が2週間あり、この期間内に債権者等から異議がでなければ、破産が確定します。

4 免責審尋(裁判官から免責事由に関して質問を受ける )
免責の審尋は、特に行われない場合もあります。裁判官から免責不許可事由(財産を隠すなど)に該当することがないかチェックを受けます。

5 免責許可の決定  
同時破産廃止決定から1~2ヵ月後くらい後に決定されます。

6 免責の確定・復権
免責とは、破産者の債務についての責任を免除することです。

破産手続開始決定だけでは、借金はなくなりません。

免責の決定(免責許可決定)が確定すると借金の支払義務がなくなります。ですから、免責手続きはとても重要です。

そして、免責の確定により「復権」して破産者ではなくなります。

復権とは、破産者の制限を消滅させることです(元通りの地位に回復させることです)。

破産者でなくなるので職業制限など破産者の資格・権利についての制限は無くなります。

もし、免責不許可決定となると借金はなくならず、破産者としての不利益だけが残ることになります。

一度免責を受けると、以後7年間は免責の決定を原則として受けることができません。

免責不許可になった場合は、他の借金整理方法を検討することになります。ただ、現在の破産申立事件の多くは、免責決定が出されています。

このページの先頭へ